モーションリグの限界|Gは再現出来るのか

最終更新: 2019年12月11日


ご覧いただき、ありがとうございます。

今回はモーションリグについて触れます。


モーションリグというのは、

アクチュエーターでガタガタとシートを動かして、

身体に掛かるGを再現する装置のことですね。



・・・いいえ、Gはほとんど再現できません。


そして、

多くの装置はG以外の挙動とごちゃまぜになっています。



「そりゃあ5Gとか出せないけど、

        少しくらい出せるでしょ。」


そんな声が聞こえてきました。


では、少し整理しながらご説明いたします。


説明をお読みいただいた後は、下記2点をご理解いただけるはずです。

・シミュレーターではリアルと言えるGの再現は不可能

・シートムーバーでGの再現を狙う方法は大きな課題あり




<モーションリグで再現できるのは、最大何G?>


ここでは、最も注目されるであろう前後・左右Gを考えます。

(残る並進Gは上下です。)


再現可能なGの上限は「リグの可動範囲」と「再現時間」で決まります。



(例1)水平方向に30cm動かせるリグで3秒間旋回を再現する場合

 →再現可能Gは約0.07G


(例2)水平方向に50cm動かせるリグで3秒間旋回を再現する場合

 →再現可能Gは約0.11G



いかがでしょうか。

おそらく皆様が想像されるより、圧倒的に小さなGしか再現できません。


また、特定方向への旋回が連続する場合更に上限Gに制約が掛かります。



「水平に移動してGが出せないなら、

    傾けて重力を活用してしまおう!」



そんな声が聞こえてきました。



しかし実際に感じるのは純粋なGではなく

実車より異様に大きなピッチ・ロール角です!



そして、むしろ本来のピッチ・ロール成分を

感じづらくなってしまいます



そこで私共の筐体、SIMDRIVE-Proでは一切の並進G補正をカットし、

純正なピッチ・ロール・ヒーブ(上下動)の再現性向上に拘りました。


シミュレーターで高度なドライビングを行う為には、

車両からのフィードバックを正確に表現する必要があります。



<ヨー運動は、再現できる?>


この答えは簡単です。

サーキットが一周しているのに、シミュレーターは一周しません。

つまり、再現できません。



<テールスライドの表現>


ヨー運動は再現できないまでも、テールスライドを表現しようとする試みがあります。


上記課題を理由に私共の筐体「SIMDRIVE Pro-Y」では、全体の規模を縮めてヨーを表現し、旋回時の体感情報を補っています。


さて、次回はSIMDRIVE-Proの開発思想についてご紹介いたします。


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